放射線科の大学院・学位研究

当科の大学院は、専攻医研修と地続き。臨床で生まれた問いを、世界とつながる研究へ。

Work & Life

大学院での働き方

Research Mind

形だけの研究指導で、終わらせない

専門医の取得要件として、学会発表・論文発表が義務づけられています。当科は、この要件を形式的に満たすことをゴールにはしません。大学病院完結型のプログラムのもと、プログラムが本来求めるリサーチマインドの涵養に正面から取り組みます。当科では2年間の専攻医研修ののち、原則として大学院へ進学する体制をとり、臨床で芽生えた問いを、指導医が一貫して伴走しながら、学会発表・論文化まで「実体のある研究」へと育てます。

臨床の修練と、両立できる

大学院に進んでも、付属の大学病院で臨床を続けられます。

  • 付属の大学病院で臨床研鑽・ローテート研修を継続できる
  • 読影・IVR・放射線治療の現場に立ち続けられる
  • 専門医取得に必要な症例も途切れない
  • 専攻医要件の論文発表・学会発表を無理なくこなせる
  • 「研究のために臨床を離れる」心配のない大学病院完結型

収入面・費用の差が出にくい仕組み

大学院在学中も、収入・費用の両面で支えます。

  • 大学院の学費が抑えられている(授業料 年額25万円・入学金0円)
  • 大学院(毎年)・当科の研究費から研究費の補助が受けられる
  • リサーチアシスタント雇用枠による給与支給
  • 大学勤務と外勤の組み合わせで差が出にくい

学位は専門医とあわせて、早期に

臨床と並行して学位研究を進め、早期に学位を取得できます。

  • 専攻医3年目(大学院1年目)に進学
  • 臨床と並行して学位研究を進める
  • 医学博士はプログラム6年目(大学院4年目)に取得
  • 早期取得でライフイベントにも対応しやすい

ライフイベントと両立について →

※ 大学院の授業料は標準4年間で総額 約100万円。国立大学の標準額(文部科学省令:入学金 28.2万円+授業料 年53.58万円=4年で約243万円)の半分以下で、私立ながら学費負担が軽いのが特長です。
(2026年7月現在/出典:大学ポートレート、国立の標準額は文部科学省令

日本医科大学 大学院医学研究科(入学試験・募集要項)→

Themes

主な研究テーマ

画像診断・核医学・IVR・放射線治療の臨床に根ざしながら、工学・情報科学とつながる研究を進めています。一例を紹介します。

▼ 主要テーマは特設ページで、論文・図・動画つきで詳しく紹介しています

4D Flow MRI大学院生

閉塞性肥大型心筋症(HOCM)

4D Flow MRIで心室内の血流を3次元可視化し、乱流運動エネルギー(TKE)などを定量。HOCMの血行動態を評価します。

共同循環器内科
4D Flow MRI大学院生

大動脈解離・大動脈瘤

大動脈解離・大動脈瘤を4D Flow MRIで解析し、乱流や壁せん断応力など血行動態の変化を評価します。

共同血管外科
4D Flow MRI大学院生

左心房の血流評価

肺切除後などの左心房内の血流を4D Flow MRIで評価し、血栓形成につながる非生理的な流れを捉えます。

共同呼吸器外科血管外科
CFD × MRI

CFD × 4D Flow(データ同化)

計算流体力学(CFD)と4D Flow MRIを融合し、血流の空間・時間分解能を高めます。独自のMRIシミュレーターも開発しています。

共同大阪大学 工学
4D Flow MRI大学院生

頸動脈狭窄の血流評価

頸動脈狭窄による脳血行動態の障害を、4D Flow MRIで定量評価します。

共同脳神経外科神経内科東京科学大学 脳神経外科
MRI・4D Flow大学院生

脳動脈瘤の画像評価

脳動脈瘤の形態・血流・壁性状を画像で評価し、破裂リスクの理解をめざします。

共同東京大学 脳神経外科
AI 画像解析大学院生

CT・MRIによる脳容量解析

AI(SynthSeg/SynthSR)で頭部CT・MRIから脳容量を自動計測。MRIが難しい救急患者にも脳萎縮評価を広げます。

共同救命救急科早稲田理工
脳脊髄液大学院生

正常圧水頭症(Hakim病)

DESHの定量評価と脳脊髄液(CSF)動態の統合解析により、見逃されやすい認知症病態のスクリーニングをめざします。

共同神経内科FUJIFILM
PET / MRI大学院生

認知症のMRI・PET研究

アミロイドPETやMRIで、アルツハイマー病など認知症の診断・重症度評価に取り組みます。

共同神経内科精神神経科Siemens
PET大学院生

ドーパミントランスポーターのPET可視化

ドーパミントランスポーター(DAT)をPETで可視化し、パーキンソン病など神経変性疾患の評価をめざします。

共同精神神経科PMOD
PET

低酸素PETによる下肢虚血の研究

低酸素を可視化するPET(FAZA等)で、慢性下肢虚血の組織灌流・低酸素を評価します。

共同トロント大学
PET/MR大学院生

PET/MR一体機の研究

PET/MR一体機のデータを用い、減弱補正やSUV定量の精度向上に取り組みます。

共同チューリッヒ大学GE HealthCareMayo Clinic
PET/MR

PET/MRによる頭頸部癌の研究

PET/MRで頭頸部腫瘍の進展・予後の評価をめざします。

共同チューリッヒ大学
CT 体組成大学院生

全身CT体組成 × フレイル

TotalSegmentatorで日常のCT画像から筋・脂肪・臓器を自動計測し、追加被ばくなく得られる体組成情報が、フレイルの早期検出に役立つかを検討しています。

放射線治療

高精度治療と有害事象の研究

IMRT・画像誘導放射線治療を中心に、頭頸部癌・子宮頸癌などで、治療成績の向上と晩期有害事象の低減に取り組みます。

Collaboration

共同研究先・連携

院内の各診療科、日本医科大学以外の大学・研究機関、海外の研究機関、そして主要ベンダーと共同研究を進めています。臨床データと工学・情報科学をつなぐネットワークの中で研究できます。

院内の臨床家(日本医科大学)

各診療科と密に連携し、臨床の課題から研究を立ち上げます。

  • 循環器内科/血管外科/呼吸器外科
  • 脳神経外科/神経内科/精神神経科
  • 救命救急科/形成外科/泌尿器科 ほか

国内の大学・研究機関(日本医科大学以外)

  • 大阪大学 大学院基礎工学研究科(データ同化・CFD)
  • 早稲田大学(医用情報処理・品質管理)
  • 東京大学 脳神経外科(脳動脈瘤・脳動静脈奇形(AVM)の画像評価)
  • 東京科学大学 脳神経外科(もやもや病・脳血流の評価)

国際共同研究

  • チューリッヒ大学・ETH(MRI物理・TKE原法)
  • チューリッヒ大学 核医学科(頭頸部癌のPET/MR)
  • トロント大学(低酸素PET・PET/MR)
  • メイヨークリニック(PET/MRの定量・減弱補正)
  • チリ UTFSM/カトリカ大(血流計算・FEM)

※ 科研費 国際共同研究加速基金による国際連携。

ベンダー・企業連携 強み

国内外の主要MRI・画像ベンダー各社と共同研究を行い、最新技術を研究に活用できる環境があります。

  • GE HealthCare:非造影MRA画像の研究
  • Siemens:4D Flow MRI・phase contrast MRI・PET画像再構成の研究
  • Philips・GyroTools:MRI rawデータからの画像再構成サーバー開発
  • PMOD:PETとMRIの統合解析の研究
  • FUJIFILM:MRIによる血流解析・正常圧水頭症の研究

Research Funding

研究費と、大学院生へのサポート

研究にしっかり打ち込めるよう、研究費の面からも環境を整えています。

40
研究代表者として獲得した
科研費(累積・うち13件が進行中)
約1.7億円
配分額の総額(累積)
約8,385万円
現在進行中の
配分額(13件・稼働中)

当科のスタッフは、研究代表者として科研費を計40件(配分額 累積 約1.7億円)獲得しています。現在も13件が進行中で、その配分額だけでも約8,385万円(2026年7月現在)に上ります。さらに、本院で専攻医の指導にあたる常勤医(助教以上)の約47%が、現在も研究代表者として科研費を実施しています。基盤研究B・国際共同研究をはじめ、救急科・脳神経外科などの他診療科や、大阪大学・早稲田大学・チューリッヒ大学などとの共同研究にも研究分担者として多数参画しています。

これらの研究費の一部は、大学院生の研究活動(学会参加費の補助、AI解析ソフトのサブスクリプション費用など)の支援に充てています。費用面の心配を抑えて、研究に集中できる環境です。

Awards

主な受賞

研究の成果が、きちんと評価される環境です。なかでも大学院生が筆頭で受賞を重ねていることが、当科の誇りです。

大学院生の受賞

大学院生が、国内外の学会で表彰されています

約7,000名が参加する日本医学放射線学会総会をはじめ、国内外の学会で大学院生が筆頭演者として受賞を重ねています(2017–2020、複数名)。

  • 日本医学放射線学会総会 金賞・銀賞
  • 日本磁気共鳴医学会(JSMRM) 大会長賞
  • ISMRM(国際磁気共鳴医学会) Magna cum Laude / Educational Stipend Award
  • RSNA(北米放射線学会) Trainee Research Award

指導医と二人三脚で、大学院生のうちから世界の舞台へ。

スタッフ(指導層)の主な受賞

  • 2024 日本医学放射線学会 秋期臨床大会 医療政策セッション 優秀賞
  • 2024 NR懇話会 症例賞
  • 2023 日本脈管学会 JCAA優秀賞
  • 2022 日本医科大学医学会 奨学賞
  • 2020 日本心血管画像動態学会 Young Investigator Award 最優秀賞
  • 2018 日本医学放射線学会総会 金賞(Gold Medal)
  • 2017 RSNA Certificate of Merit / ISMRM Clinical Stipend Award
  • IAEA(国際原子力機関) 感謝状
  • 日本核医学会 リターニー賞 など

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